大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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「動画、まだヨコで撮ってるんすか?」

   

まわりにナマイキなことを言う「若者」が増えてきました。
いや、正確に言うと、かつての教え子たちが、最近ドンドン、ナマイキなことを言うようになってきました。

それもそのはず、「若者」とかって言ってるけれど、聞けば、もう30代半ばから、40代の前半。
いわば、社会の中心でバリッバリに活躍している世代。
それなりのキャリアを積み上げて、それなりのポジションで、部下とかもいるような年頃です。
多くが、ボコボコにしごき倒した学生時代、レッスン生時代から10年〜20年経っても私みたいなハイパーな人間に会いに来てくれるような人たちですから、それはそれは、みんなとんがってます。

そして、私は、そういうナマイキでとんがっている、デキるヤツらが大好きなんで、定期的に、彼らと会っては、ナマイキなことを、あれこれ言われております。

時代のど真ん中にいる世代が強いのは、その情報力です。
実体験で手に入れた一次情報やリアルタイムで経験している生の情報を常に豊富に持っているから、ついついダイノソーに陥りがちな私たちに、猛烈な刺激と学びを与えてくれるわけです。

どんなに経験や知識があっても、どんなに日々、学んでいるつもりでも、「今」をど真ん中で生きる人たちのような情報のアップデートは起こり得ません。
私自身、ITリテラシーはまぁまぁ高い方だと自負していますが、「今」のセンスで活用でいているか否かは、はなはだ疑問です。
そういう意味では、生きた情報がなければ、テクノロジーはないも同然です。

先日も、ナマイキな教え子のひとりに、
「動画のSNSをはじめたいと思っているんだけど、プラットフォーム含め、どうも、しっくり来る形が見つからなくて」と相談したら、いきなり、
「MISUMIさん、もしかして、動画、まだ、ヨコで撮ってません?」
といきなり言われ、「はぁ〜?」と大きな声を出してしまいました。

そこ?ヨコ?なに?
完全にダイノソーです。
「だって、リールとか、ショートとか、TIKTOKとか、うるさいから見ないもン」
と言えば、
「だから、みんな、音消してみるんすよ」
と、もっとわけのわからないことをおっしゃる。

新しいコンセプトが頭の中に流れこんで来た時に、私たちダイノソーが経験するのは、ある種の嫌悪感と違和感です。
これね、脳が怠惰になっている証拠らしいです。
つまり、理解しようとがんばったり、新しいことを学習したり、そういうことを全部拒否して、省エネモードに入ろうとするときの合図らしい。

だから、まだ進化を続けたかったら、一旦、嫌悪感をぐっと飲み込んで、新しい情報浴びてみるしかないのです。
取捨選択はその後です。つまり経験してから。

まぁ、若いヤツらにまかせるわ、と思うことも多いのですが、
はじめてみたら、バカみたいにツボにはまって、楽しめることもあります。

そんなわけで、YouTube、Shortはじめました。
TIKTOKや、instaにも、同時に投稿するようにと言われたので、お好きなプラットフォームでごらんください。
週1〜2本の感じでゆるっとやっていきます。

つくるのが楽しくて、困ってます。

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