大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

フェンダー持ってる小学生?/カラダという楽器の価値とポテンシャルをちゃんと知る!

   

年明けくらいから、ご新規の若手アーティストたちが、次々とやってきてくれる雰囲気が急激に戻って来ているようで、嬉しい限りです。

うちに集結する若者たちは、ほとんどが業界関係者さんのご紹介ですから、そのポテンシャルも、周囲の期待度も高い子ばかり。
それでも、この「虎の穴」に送り込まれてくる理由はあります。

理由の詳細はさまざまですが、平たく言えば、みんな、「惜しいんだよなぁ」。

曲もいい、声もいい、センスもある。
こんなにいい要素がそろってるんだから、「もっといい歌、歌えるはず」「もっと聞く人の胸に迫るはず」。

原因の9割は、自分のカラダという楽器のポテンシャルを生かし切れていないこと。
身長だって170センチ〜180センチ、時にはそれ以上もある立派な楽器を持っているのに、15センチくらいの楽器を扱うように、自分という楽器をつかっている。

そんな人たちを私、「フェンダー持ってる小学生」と呼んでおります。

ちまたの天才小学生はともかく、ごく普通の小学校低学年のこどもにギターをほいって渡したら、どうなると思います?

ギターでチャンバラする。(チャンバラは死語か?)
ギターをまな板におままごとする。
弦のとこ持って、ヨーヨーする。(え?死語?)
お菓子食べたべったべたの手で触りまくる。
おもちゃ箱に放り込む。
ビート板の代わりにプールに持ってったりする。

うんもぉおお。

昨日、新たにやってきた、若干21才のギターヴォーカル男子。
彼の持っていたのは、ただのフェンダーじゃありません。高級フェンダー。
それなのに、やっぱり小学生並みにしか、その価値とポテンシャルをわかっとらん。

若い男子には、ついつい厳しさも3割増しになってしまう、あたくし。
激しいレッスンを、終始嬉しそうに、めっちゃガッツを持って受け続けてくれた彼。
最後にはニマニマしながら「いやぁ。1日で、これ、やばいっす」とご満悦なようすでレッスン室をあとにしました。

将来有望と見た。
熱烈応援します。


■無料メルマガ『声出していこうっ!』。
ブログから踏み込んでディープなお話や、セミナーや講座、スクールなどの情報もお届けします。ご登録いただいた方全員に、『朝から気持ちい声を出すためのモーニングルーティン10』をプレゼント。バックナンバーも読めますのでぜひ。ご購読はこちらから。

 

 - MISUMIの日記&メッセージ, ある日のレッスンから, 夢を叶える

  関連記事

世界観を限定するほど、多くの人に刺さる!

先日『THE GUILTY ギルティ』というデンマーク映画を見ました。 あまり詳 …

どうして、そんなケガをする?

先日、リビングのゴミ箱にかがみ込んだ拍子に、 サイドボードの端にはみ出し気味に置 …

「今の自分」を信じられないなら、「未来の自分」を信じる

「音楽学校って、夢をあきらめるためにくるところだって、先輩が言ってました」 &n …

「極上の挨拶」は多少の不出来を凌駕する。

夏の終わりを楽しもうと、 愛犬と一緒に郊外のドッグプールに行ってきました。 施設 …

まずはライブハウスを押さえろ。話はそれからだ。

「いつか、ライブできたらいいなって思って」 レッスンでこんなことばを聞くと、反射 …

オーディションは「試験」でも「試合」でもない!

いわゆる「オーディション」というものを受けたのは、人生で2回だけ。 どちらももの …

楽器はプレイヤーの「心」なんだっ!

昨今、SNSで楽器が盗難に遭ったというニュースが次々に流れてきます。 昨年末も、 …

働こう!ガールズ!

何十年かぶりに、ハリソン・フォード、シガニー・ウィーバー、メラニー・グリフィスと …

音楽業界で「出会い」と「チャンス」をつかむ5つのヒント

音楽の世界で生きていくため、 認められるため、 生き延びるためには、 自分のゴー …

大どんでん返し!?

『宇宙戦争』というSFの父、H・G・ウェルズの名作小説があります。 ネタバレを承 …