ちゃんと「聴く」!
さて、音源を買ったら、次にすることは当然「聴く」。
この「聴く」がめっちゃ大事。
そして、実に奥が深いのです。
音は空気の振動。
カラダは耳でその振動を電気信号に変換し、
神経を伝達経路として脳に運ぶ。
「空気の振動が耳の組織を振動させる」のは物理現象と考えれば、
つまり、みんな、どんな人も、同じように音を受信しているはず。
ところがです。
同じ曲、同じ音を聞いているはずなのに、
人によって聞こえ方は全然違う。
ある人は、聴いただけですべて楽譜に起こせてしまうし、
ある人は、何度か聴くと、まったく同じように演奏できたり、
歌えたりしてしまう。
そうかと思うと、
何回聴いても、ひとつひとつの楽器がなにをやっているかわからない、
という人もいれば、
すっかりわかった気になってるけど、
実は音源全体の情報の20%も拾えていないという人も、たくさんいます。
この差は、脳の差であると言われています。
つまり、脳までは同じ信号が流れてくるんだけど、
それを認識できる人と、できない人がいる。
そういうことらしいのです。
これ、悔しくないですか?
私は、めっちゃ悔しかったです。
宝の山が、自分の家の玄関の中にまで運び込まれてくるのに、
宝とゴミとの区別がつかないばっかりに、
毎日せっせと玄関の外に掃き出している自分。
その隣で、宝の山のために玄関を全開にして、
やってきた宝の山は、コインひとつ、金粉ひとつ取りこぼさないように、
金庫にざくざくと運び込み、ため込んでいく「聞こえるヤツら」。
貧富の差は開く一方です。
き〜〜っ!悔しい。
この差を埋めるには、どうしたらいいのか。
どうしたら、脳は、
宝を宝と認識してくれるようになるのか。。。。
試行錯誤の果てにたどりつたのは、
「聴き方を変えてみる」でした。
例えば、最初はダンゴのように、
すべての楽器がまとまってしか聞こえてこないオケ。
ひとつひとつの楽器を頭の中に思い描いて、
その音が存在しているに違いない周波数帯あたりに耳の焦点を合わせ、
聞こえてくるはずの音をイメージしながら何度も聴くのです。
1曲の中には必ず、その楽器が聞き取り易い部分というのがあって、
まずはそこを聴いて、
どのくらいの音色や距離感で鳴っているのか確認するとよいようです。
ド〜ンと聞こえていたオケの中に、
はじめてハイハットの音を発見したときは、
本当に嬉しかったのを今でも覚えています。
そんな要領で、ひとつひとつの楽器を見つける。
ひとつの楽器が拾えたら、今度は1音1音、
それぞれの楽器がやっていることを細かく聞き取ってみる。
続けていると次第に、
いろんな音に焦点を合わせることができるようになっていきます。
もちろん、おとなになってからどんなに勉強しても、
ネイティブスピーカー並の英語の発音を身につけるのは難しいように、
幼少期に聞き取り能力を身につけた人たちと同じレベルにはなりませんが、
このトレーニングを繰り返すことで、
かなりな精度で音の聞き取りが可能になります。
まずは耳の焦点を合わせる。
是非試してみてください。
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