大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

インスピレーション

   

いい曲書こうと思って、何時間ピアノの前に座っても、
何フレーズ書いても、ちっともしっくりこない。

あーでもない、こーでもないとこねくり回して、
結局、取って付けたみたいなメロになって、
それでもなんとか形になったかなと、歌ってみると、
これがまた、信じられないほど退屈で・・・

とりあえず録音はしたものの、
結局二度と聞かない曲になる、なんてことはしばしば起こります。

そうかと思うと、運転しながら、歩きながら、
何気なく、歌詞と一緒にポンと口から出てきたようなメロディが、
頭を離れない。

思わず立ち止まって、録音して、持って帰って、
あまりによくできてるんで、盗作じゃなかろうかと疑うくらいのできで、
あちこちひっくり返して見るんだけど、
どこにもそんな曲はない。。。

そんなことも起こります。

結局、インスピレーションがどこかと繋がった時に、
生まれるもの、もしくは「降りてくるもの」こそが、
本当の感動を呼ぶものになるのかもしれません。

メロディ、しかり。
歌詞、しかり。
ことば、しかり。
タイトル、しかり。

だからあたしたちにできることは、
キャッチしたものを過不足なく形にするため、
伝えるための表現力を磨くこと。

キャッチするためのアンテナを立てること。

そしてなにより、「何が好きか」を極めて、
自分がキャッチすべき情報にチューニングをあわせること。



クリエイトするって、もしかしたら、生み出すんではなく、見出す作業なのかもしれないな。。。

 - 音楽

  関連記事

「オケ」じゃなくて、プレイヤーの顔のついた「音」を聞くんですよ。音楽って。

年寄り自慢をするつもりは毛頭ありませんが、 (あたりまえ) 一昔前は歌を歌いたか …

「課題曲」って、どうよ?

大学4年になったばかりのこと。 清水の舞台から飛び降りる気持ちで通い始めた歌の学 …

コンサートの楽しみ方は、ホントにいろいろ

仕事柄いろんなコンサート会場に足を運んできました。 その度に、コンサートの楽しみ …

「音楽」という流れをつかむ~Singer’s Tips #15~

一音にこだわる。 1ポーズにこだわる。 歌も踊りも、 重箱の隅をつつき倒すように …

上澄みをすくい取って「わかった気」にならない。~Singer’s Tips#21~

ちょっと昨日のブログの続編的なお話です。 ひとつの曲が生まれて、 受け手の手元に …

人は、他人のにおいに「敏感」かつ「不寛容」なもの。

「角の○○さんのご主人、若い頃はカッコよかったのよ。 ハワイアンバンドにいたらし …

音楽はドラえもんのポケット

音楽に何を求めるか? 音楽から何を取り出すか? 音楽で何を実現するか? &nbs …

「へたくそな自分」を楽しむ

一昔前までは、 『NHKのど自慢』に登場するような、 歌好きのひとたちって、 も …

譜面も歌詞カードも、電子化してファイリングが正解!

仕事柄か、習性か、紙の資料がびっくりするほど増殖します。 ライブやレコーディング …

音楽ソフトが使いたい!でも、PCが苦手?

最近昔話ばっかりで恐縮です。 生まれてはじめて、 自分でオリジナル曲を録音した時 …