大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

あぁ、あこがれの「ビッチ感」

   

人にこう見られたい、というイメージと、
実際の自分自身が人に与えるイメージに開きがあるという人は、
少なからずいるでしょう。

私も、長いこと、そのひとりでした。

なにしろ憧れていたのは
Sex, Drug, Rock’n Roll時代のロックです。

その時代のロックミュージシャンって、
反社会的な匂いがするというか。
そんな雰囲気がまたロックでカッコよかったわけです。

だから憧れました。
手足が長くて、やせ形で、
美人で、神秘的で、ビッチ感のある、
ロックファッションが似合う女。

もうね、そんな人に会う度に、
あー、やられた、と思ってしまう。

だって、若い頃の私はといえば、
(今もたいして変わりはないけれど)
ドラッグどころかタバコも吸わない、
なんならお酒もまぁまぁ弱い。
人のよさそうな丸顔で、
ナイーブで、わかりやすくて、リアクションもでかい、
これ以上ないくらい健全な女。

がんばって、
自分自身の雰囲気を変えようとしたけれど、

痩せたくてジムに通えば、
なんかますます健康的になってしまう。
神秘的にふるまいたくても、1時間と黙っていられない。
ビッチ感を醸し出そうとしても、
それ系の男子に相手にされない。
ロックファッションだって、さっぱり似合わない。
・・・というか、興味がわかない。

今でこそ、なんとなく、
「ロック歌っている人」みたいなイメージになってはいますが、
服を買いに行って、
「ミュージシャンですか?」と聞かれたことはただの一度もありません。

「歌のお仕事です」と言えば、
オペラですか?ジャズですか?もしかしてゴスペルですか?
・・・一生待っても「ロック」というワードは出てきません。

つまり、私は、
どこをどう輪切りにしても、
自分にない要素の人間に憧れて、
そんなイメージを醸し出せる人たちに、
少なからずコンプレックスを抱いてきたわけです。

その昔、そんな話を友だちにしたら、
「それって、MISUMI、
自分じゃなくなりたいって言ってるようなもんだよ」と、
言われました。

私は誰かに憧れていたんじゃなくって、
自分が嫌いだったんですね。

自分じゃない誰かになろうという努力ほど不毛な努力はありません。
自分自身を好きになることができないのに、
自分を極めることはできません。

大事なことは、
自分自身にラベルをつけたり、
乱暴に分類したりしないこと。

人からどう見えるかなんてイメージは、
100人いたら、100人言うことが違う。

大事なのは、
今、自分をどう生きているか。
今、何を感じているか。

今、この瞬間の自分が好きなら、
それが正解なんですよね。

ま、ビッチは来世かな。。。
(結局、悟っているわけではない(^^)

◆3月28日(日)20時~生配信ライブ詳細はこちら。ツイキャスを初めて見るという方はこちらのマニュアルを参照にアカウントを作成してください。

◆私のバンド、Dazy’s の楽曲はApple Music でも聴けますので、ぜひ。
歌詞はこちらで公開中。訳詞もボチボチ書いています。

 

 - B面Blog, Life, My History

  関連記事

「髪の毛一本」レベルで、音の長さにこだわる。~Singer’s Tips #18~

歌の印象を大きく変えるポイントのひとつに、 「音の長さ」があります。 歌い出しの …

人は、人を「育てる」ことはできない。

レッスンを担当しているシンガーたちが、 ぐんぐん成長していく姿を見るのは、誰だっ …

ミュージシャンのランク付け

ランク付けをしたがるのは人間という動物の本能と言います。   「天は人 …

人には人の、自分には自分の、戦い方がある

チャンスを求めて、日夜、必死にがんばっていると、折に触れ、 「この人に会ってみな …

「謙遜しない」という生き方

「私はただのシロウトなので」 「下手のよこずきで」 音楽やっているんですか?と聞 …

あなたが結婚式で歌って欲しい洋楽曲、なんですか?

職業柄、 結婚式などの余興で歌を頼まれることがよくあります。 2人の若者にとって …

「とろい」って言うなっ!

「キミは運転、向いてないねー」 この人生、 「向いてない」と言われたことは数々あ …

若い頃の努力は金✨

「若い頃の努力は金✨」。 若い頃そんな風に言われると、 なんだか強制されている感 …

「切り替え」と「集中」で精度を上げる!

インプットとアウトプットを、 高い精度で両方一度にこなせるという人は 一体どのく …

小さな選択の連続がやがて大きく流れを変える。

人生にはいわゆるターニングポイントというのがあります。 それがいつ訪れるのかはわ …